★デジタル新通貨「リブラ」の話ーその3

 結局、世界は、リブラをFacebook社がやるのがイヤだ、、に尽きるのだろう。

だから、IMFの類の、各国政府代表によるリブラ運営組織を作り、Facebookなどは、入れるとしても、下請け実行組織としてだろう。
ーーー人類は斯かる試行錯誤を経て制度革命を進めて行く・・・


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★デジタル新通貨「リブラ」の話ーその4

● 今朝の日経にFinancial Timesで、いつも洞察ある事を書いているコメンテーター(ウルフ氏)の論考が載っていた。
● 基本的には、私が「その2」で書いた、通貨のマクロ的推移である「Ⅰ. 紙幣・貨幣という物理的通貨の段階」⇒「Ⅱ. 銀行預金という仕組みをベースにしたバーチャル通貨の段階(現在)」⇒「Ⅲ.リブラ議論で幕開けの新デジタル通貨」という認識において、私の整理とほぼ共通。更に、Ⅲ.に行く前にビットコインなどのアダ花的仮想通貨が出た時代を今通過しているという認識でも同じ。
● そして、このウルフ氏の重要ポイントは:
(1)新デジタル通貨は、Facebook等の私企業主導で発行・管理すべきものではなく、やはり国家・国家系が主導すべきもの。(※ 溝口:そりゃ、そうだろう。)
(2)そして、基本的には、中国がデジタル人民元を出そうとしている通り、各国の中央銀行(日本でいう日銀)が公的にデジタル円、デジタルドルなどという形で発行・管理するのが基本と言っている。(※溝口:まだリブラ風の世界通貨のメリットもあり得るとは思うが、まずは個別通過のデジタル化というのはどうだろう。)
(3)更に、ここが私が意を強くした点であるが、国家管理のデジタルドル・円などが出ると、少なくとも「Ⅱ.」の時代に銀行が担っていた銀行預金をベースとするバーチャル通貨の時代は終わりで、国家デジタル通貨を、銀行とは関係なく、全ての人類が扱えるようになるという見方をしている。(※溝口:これだ!!)

⇒ 私は何も銀行を目の仇にしている訳ではないが、「銀行預金」なる仕組みは人類の「段階Ⅱ」においてのみ必要で、
「Ⅲ.の新時代」では不要になる。銀行支店もないアフリカの奥地等の人びとでも、ネットへの電波接続(注:電気は太陽光発電とかで)さえ出来れば「通貨」の恩恵に浴せるようになる。郵便局の郵便依存の時代からの脱却と同じ。
⇒ そして、銀行は「決済」ではなく、保有通貨が余っている人と、足りない人のギャップを、与信審査・貸与仲介機能で埋めるという、より本来的な「ファイナンス」機能に純化する。
● 誰の覗きこむ水晶玉でも、そういう光景が見える筈だと言っているのだ。    Nat