★5年に一度の国勢調査の2020年版で、人口が5年で 0.7%減った。ということで、色々な論評がある。・・・しかし、国民的に言って「人口減少は国にとって大問題」との認識で一致しているのだろうか?
● まず、5年で0.7%しか減ってないとも言え、まだ人口横這い・微減状態だ。40年後には22%減って9700万人になるとか言われても、誰もピンとこない訳で、人口減少問題は国民的な問題意識になっていない。
● 次に、人口が減ったらいけないのか?・・・という問題意識もある。グラフの通り、江戸時代、日本は長らく人口3000万人台で安定していた。それが明治維新以降、急激に人口爆発で1億2千万人を超えてしまった。狭い日本、資源のない日本に人が溢れている。この点に着目すると、超マクロ観から日本の「最適人口」は5500万人位との説もある。(注:前提条件・境界条件の設定で何とでもなる話だが。)
● しかし、内閣府の見解では、全くそんなことでなく、「人口減(+少子・高齢化)」=「働き手の減小」=「生計を年金等に依存する人口比率の増大」=「社会保障の破綻と、日本経済の生産・消費規模の衰退」の「お国の一大事」ということになっている。・・・・要は、数十年~百年後に、日本の総人口が5500万人の「程よい規模」になっているかも知れないが、そこに至るまでに日本国民は大きな苦しみを味わうという想定である。
・・・・では、そういうことで、国民的なコンセンサスは得られているのか? 否、得られてない。しかし、内閣府なり日経新聞なりは、その点、恰もコンセンサス済みかのように書くのだ。一度、国民的コンセンサス形成をしないと、この問題への対処は進展しない。
● もう一つ、労働人口が減少すると、賃金が上がるメリットがあるのでは??説もある。しかし、これは、ギリギリ零細企業が余りにも多く、最低賃金を900円から1,000円にすら上げられない日本の産業構造を無視した話である。大幅な規制撤廃、生産性向上とセットでないと、賃金上昇の好循環は訪れない。
● 以上ゆえ、コンセンサスとしては、概ね「人口の大幅減少は、労働人口の不足から日本経済をジリ貧に追いやる」でいいと思うが、そうした上で、大問題はその解決策なのである。産まれる子どもの数は、もう実質増えない。だとすると、もう「移民受け入れ」しかない。ところが、「移民受け入れ必須」をコンセンサスにするのは更に難しい。
・・・・ 日本、どうするのさ??? Nat