★本朝の日経新聞に、中小企業も結構賃上げという記事が出ている。
・・・物価・賃上げの好循環を渇望する岸田政権と植田日銀への応援団新聞である日経としては、昨日の「大企業賃上げ5%超」に続き「連合が15日発表した2024年春季労使交渉の第1次集計で、中小企業の賃上げ率は4.42%に達し、32年ぶりの高水準となった。」と、いそいそと書いている。
ここで連合が集計しているのは、労組のある比較的大き目の中小企業、いわば「中堅企業」のことだ。
・・・日本の被雇用者6千万人の中で、労組に加入している人は999万人、16.5%に過ぎないし、その比率はどんどん低下中。連合の集計は、そういうマイナーな部分の更に一部、比較的に力のある中堅企業の賃上げの話なのだ。
・・・逆に言うと、これらの、労組組織外の、大半のいわゆる「中小企業」では、構造的に賃上げは難しいのだ。賃上げすると潰れてしまうのだから。
◆ だから、繰り返しになるが、また書いておく:
 大き目の中小企業の賃上げが4%台、実現できるなら、結構なことだ。
・・・しかし、それは、皮肉っぽい話と思われるだろうが、それで、却って中小企業の統合再編が進むと思うから「いいね」「いいね」なのだ。
・・・ 前回書いた通り、人手は、賃上げできる大企業や大きめ中小企業に流れ、小さめの大半の中小企業の求人が更に難しくなる「求人クラウドアウト」が起こる、それが、中小企業の業界再編統合を更に促進するのだ。
・・・必死に経営を支えている中小企業のオーナーは、これまで通り、何とか自民政権にしがみついて、保護行政を受けたいかもしれないが、それでは日本経済の進化・改善を阻害する。
◆ 何度も言うが、政府には、弱い中小企業、特にもうゾンビ化している処が、人手不足で経営破綻する前に、早く、業界他社に身売り(吸収合併)されるように、促進、アシストすることが求められるのだ。
1)大概のオーナーの自社の株式の簿価は非常に低い。大昔に創立だからだ。・・・だから、吸収合併でその株を同業他社オーナーに売ると、結構な譲渡益課税が発生する。・・・それを、今の政府の策のように課税先送りとかではなく、気前よく、産業統合再編M&Aについては全額無税にしろ、と言っている。促進のため、今から3年以内にM&Aすると完全無税、とかにして急かすのもいいだろう。
2)あと、前から言っている合併企業側の法人税5年間完全無税も私は提唱しているが、それ以外に以下もやってくれ!
①身売り企業の銀行借り入れが、往々にして、オーナー個人保証になっているが、これは合併後の企業が債務継承する際に、貸し手の信金など金融機関が保証外しを嫌がれば、政府が肩代わりの債務保証するくらいのこと考えろ!と言っている。
②また、大体、仲人は、商工中金か信金だが、政府は、仲介者に、けっこうな仲介料を弾めばいい。
・・・しかし、これらの方策は、自民政権はやらない。今ある自民政権の「中小企業支援策」は超小粒で、かつ「税の先送りケチケチ路線」でしかない。そもそも、自民政権は、ゾンビ中小企業のオーナーが票田だから、むしろ「ゾンビ延命」体質でしかないのだ。それが日本の足を大きく引っ張っているにもかかわらずだ。
・・・業界再編統合をガンガン推し進める政党の登場に期待したい。しかし、選挙で票を集めにくい。だから政党はどこもそこまで言わない。いうのは私らだけだ。あかんわ。  Nat

日経記事 中小賃上げ_page-0001