★今朝の日経新聞に、世界の難民・亡命者数が増えている話が載っている。(コピー添付。)
・・・オレンジ色の棒グラフは、難民・亡命中の人の「ストック」の人数。今や2400万人。・・・このストックの毎年の増加・差額が、新たに難民になった人、つまり毎年の「フロー」(国籍を得たような人の人数は引いた純増のようだが)になるが、これが、10年前は年100万人だったのが、今や300万人、という話。
・・・しかし、記事ではその背景を、経済的格差・貧困、そして圧政とは書いているが、そうなると、当然、なぜ人類の世界で今、経済的格差・貧困そして圧政が広まるのか?という根本にも意識が行くだろう。
◆2023年で、どういう国からの難民・亡命かという表も日経にあるので、見てみると、圧倒的にベネズエラ。118万人。しかも、二つ目の私が貼り付けた表を見て欲しいが、ベネズエラからの難民・亡命は、少し前のUNHCRのデータで見ても、増加の一途のようだ。・・・世界で増えている難民・亡命の半分くらいは、ベネズエラからともいえよう。
・・・いうまでもなく、ベネズエラは、2013年からの反米左派のマドゥロ政権が、いよいよ強権政治を強めていることが背景である。images (7)
◆しかし、世界で難民・亡命が増えているのを、ベネズエラの特殊事情のせいにばかりしてしまうのは適切でないであろう。
【1】世界で増えている強権政治:
・・・関連の統計は今はないが、世界で強権国家が増えているのは間違いないのではないか。
・・・ただ、もとよりアフリカなどで強権政治は多くあったが、最近は、それが、より広がっているのではないか、ということだ。
・・・昔は、世界が米ソの二極体制で、多くの国が強大な米かソ連のどちらかの支配圏に属して、多少ともコントロールされていたのが、その体制が崩れ、いわば。パンドラの箱が開けられた。そして、米国の一極の強さも相対化し薄まり、世界は中国、ロシア、インド、そして欧州、更にグローバルサウス、と多極化。そういう中で、強権政権が突出したりしやすいのであろう。
【2】もう一つはネットの情報ではないか?:
・難民・亡命でどこかに逃げるためには情報が要る。また、難民には、それを組織して送り出して儲けるグループがつきものだが、そうくグループのそそのかし情報が流布しないといけない。
・それに大きく貢献しているのが、スマホでのSNS情報ではないか? ザックリ、途上国でも、スマホの保有率は、例えば3分の1くらいという。情報が拡散するには充分な保有率だろう。
・・・斯かる情報の拡散が、結構、難民・亡命者急増の背景であるのでは、という気がする。・・・そして、その背景からして、これは、まだまだ増加する、人類としての最大の難題の一つになってきているとも思う。
◆ ということで、世界で急増する難民問題。米国の大統領選挙を初めとして、世界の先進国で共通の悩ましい政治課題だ。
・・そういう先進国の中で、唯一、悩ましい政治課題になっていない国が一つある。・・・日本だ。受け入れ難民は2023年で303人ぼっきりで、実質、難民に対し鎖国している。政治家も政府も国民もそれがいいと思っているのだろう。全く政治課題になっていない。
・・・それでも、どこかで、世界で大問題にされるまで日本は動かないのだろう。  Nat


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