★日本の皆さんと話していて、感じることは、日本の伝統的雇用が「ジョブ非限定契約」であることを明確に認識してない人が、非常に多いことだ。
・・・「終身雇用・年功序列」は、皆、分かっている。しかし、終身雇用・年功序列だと、おのずと、雇用が「ジョブ非限定契約」になることを意識してない人が余りにも多い。
・・・日本の雇用契約は、よく「メンバーシップ契約」ともいわれる通り、営業とか総務とか工場とかの職種を限定せず、その会社ムラの一員になって、一生の間に、営業とか総務とか工場とか色々回ってもらうかもしれない、、、という「ジョブ非限定」契約である。・・・そんな訳の分からない、白紙委任みたいな雇用契約は欧米ではあり得ない。
・・・そして、異様なジョブ非限定採用の最たるものが、毎春の大卒新卒の一斉大量採用なのだ。
・・・前に以下の拙文で書いた通り、それが、若い人では、その会社ムラに一生参加する気分の人は少なくなっており「取り敢えず、貴社の営業で営業スキルを磨きたい」とかいった、ジョブ限定の就職の人が多くなっている。しかし、企業側が、発想の展開が未だ出来ない一方、若者サイドでも、そう急に皆が欧米的なジョブ限定型に急変しているわけでもない。・・・変化はまだ少しずつなのだ。だから、企業がなかなか「トレンド先取り対応」が出来なく、従来パタンの踏襲になってしまっているのだ。拙文
◆ しかし、しかし、日本企業でも、実は中途採用では、元から、ジョブ限定雇用契約が多いのだ。
・・・大卒の新卒の9月二次採用なんてのは、新卒の変形だから、除外して、いわゆる中途採用に限ると、ジョブ限定採用が多いのだ。実質的にジョブ限定になっているものを含めてだが。(尤も、従来のジョブ非限定とジョブ限定との、両方の「悪いとこどり」みたいなことやっている企業も多いから悲しいが・・)
・・・つまり、日本の企業ムラも、実は既にジョブ限定採用をやっている。しかし、新卒一斉のジョブ非限定の世界と、中途のジョブ限定の二つのものを平気で並存させているのだ。
・・・同じ、給与・資格体系では、この二つの違うものをフェアに扱えないはずなのだが、日本企業は、今はその点、誤魔化し誤魔化し対応している。
◆ 繰り返し言うが、日本でもジョブ型雇用が、どこまで早く中心の概念となり、その結果、新卒一斉採用という世界でも異様な採用形態が、どれくらいの速さで転換されていくのか??である。
・・・しかし、ジョブ限定、ジョブ非限定という、本質的な概念で、この問題を論じる報道は少ない。まだ皆、あまり分かってない気がする。
Nat
