★太陽光発電の寿命のきたパネルを廃棄する際の環境破壊対策として、漸く、遅ればせに政府がリサイクルの義務化に乗り出すという日経朝刊報道。
◆ しかし、いつもながら、この日経報道は、子どもの使いのように、今聞いたことだけを書いているもので、太陽光パネルの環境破壊問題に関する日経新聞自身の問題意識がゼロにしか見えないものだ。・・・あるいはもし、いつもの御用新聞的に、政府を批判しないトーンに留めているなら、余計、たちが悪い。
・・・今回日経では「巨大サイズの粗大ゴミ」埋め立て問題だけのイメージで書いているが、有害物質リスク問題がもっとあるのだ。パネルの種類によるが、鉛、セレン、カドミウム、ヒ素などの有害物質が含まれており、埋め立て処分では、それら有害物質が周囲に染み出てしまう問題が、早くから指摘されてきているのだ。(注:鉛は鉛フリーものが大分出てきている。またこれらの物質を含む化合物系ウェハは、太陽光パネルに限らず、電子機器用半導体でも同じだが、問題は、太陽光パネルは巨大かつ、寿命後ほったらかしを含めて無責任業者が多すぎることから、リスクが圧倒的に大きいのだ。)
・・・ということを日経は書かない。「粗大ゴミ」としての問題だけのような書き方だ。
【2】そして、日本では、2012年に経産省と当時の民主党政権が愚かなFIT(バカ高値の電力買い取り)策を出してしまい、日本が世界でも異常な「太陽光発電バブル国」になってしまったのだが、その当時の日本は、2011年の福島原発事故の直後で、「怖い汚い原発と違い、美しい太陽と風の再生エネを!」との運動にのぼせていたのである。そこで、当時から分かっていた、寿命後の廃棄による環境破壊には目をつぶったのだ。
・・・ご存じだろうか? 欧州では、日本が太陽光バブルを始めた2012年に、既に、寿命の来たパネルのリユース・リサイクルの義務化をしているのだ。
・・・それが、日本ではパネルの環境問題は、環境庁が2018年ごろから指摘し始めていたが、漸く今般、欧州の10年以上遅れて、リサイクルの義務化をする。
・・・今、発電中の多数の業者(結構無責任業者も多く、また、ご存じのとおり、山肌を実質的には違法開発して設置している輩もいる)、彼らは、そもそも廃棄処分のコストの引き当て・積立もしておらず、ましてや余計に費用のかかるリサイクルの費用への備えはゼロである。多分、今以上に、違法の埋め立てや放置したままでの、どろんとの夜逃げが横行するだろう。
◆これらは、心ある層が前からずっと懸念して指摘してきたことだ。・・・しかし、日本でもひきつったグリーン派は、ひたすらに「原発はトイレなきマンション」と言いつつ、日本中に敷き詰められてしまった太陽光パネルの「処分対策なし問題」には目をつぶってきたのである。
・・・そのような無責任グリーン派の欺瞞的な環境運動を強く糾弾したい。