★米トランプ新政権は、仮想通貨への規制に反対で、仮想通貨あるいは分散系ブロックチェーン技術の創り出すかもしれないイノベーションを振興しようという立場であるようだ。
・・・関連の、今朝の日経報道のコピーを添付。
・・・仮想通貨という投資のジャンルを考えると、いかがわしい取扱い業者も出たし、一般投資家保護のための一定の規制が要るだろうというのが、民主党的な規制の趣旨であろうし、一方のトランプらは「そんなものは要らない。新しいイノベーションとして伸ばせばいい。」なのだろう。
◆ トランプ及びその信奉者たちが「暗号資産・仮想通貨を規制緩和せず伸ばせ」という時に、何をどこまで考えているかは、今ひとつ分からない面はあろう。トランプ自身は、もしかしてビットコインなどが「儲かりそうな話」という「お金の匂い」に惹かれているだけなのかもしれない。しかし、これまでの報道で、トランプの直感は、それ以上のことを捉えている可能性もある。彼はラストベルトの旧態依然たる製造業などの保護を唱えるから、新しいものには消極的なのか、といったイメージはあるかもしれない。そして、難しいことは分からない人かも知れないが、「仮想通貨は儲かる」との直感だけではなく、分散系ブロックチェーン技術の創り出すかもしれないイノベーション、それを活かした米国の新産業が、中国などに負けないように発展することを直感的に見据えているのかもしれない。
・・・私は、例えば以下の2022年11月の記事で、ブロックチェーン技術による分散体系が「Web3.0」となって世界を革新すると吹聴するのは、まだ騒ぎ過ぎで、当面「Web2.5」くらいだろうとも書いてきた。拙文
・・・今でも、まだ懐疑的な思いもある。そもそもビットコインなどは「虚構の価値」しかないものとの認識で個人的には全く手を出す気がない。
・・・しかし、ビットコインなどに自己責任で手を出す人がいるのはいい。また、もっと重要なテーマとして暗号資産方式のデジタル通貨、特に中央銀行デジタル通貨(CBDC)がある。CBDCは、日本では日銀が既存の銀行などに配慮し過ぎで積極的ではないが、中国が「ドル一極集中体系」を崩そうと積極的であり、今後の世界秩序の展開上、重要な要素であろう。
・・・また、NFTを利用したイノベーティブな新しい仕組みや新事業は、私の思う以上に出てくる可能性あり、そこにおいても、米国と中国の覇権争いになる可能性がある。
◆ もしもトランプがそういうことを見据えているなら、彼は人類社会で起ころうとしている革新と、そこにおける中国覇権への抑止、米国No.1の維持、ということを正しく直感している可能性もあろう。
・・・日本の政治家は、一般的に保守的な人も多く、またテクノロジーに弱い文化系的な人も多いせいか、斯かる「分散系ブロックチェーン技術の創り出すかもしれないイノベーション」には感度の低い人も多い気がする。
・・・自民党や維新は一応、NFTやブロックチェーンを成長戦略の一部として位置付けてはいるが、どこまで本気かは分からない。
・・・国民民主は、①公約をNFT化し透明性を高める改ざん防止という風に、自ら取り入れようとしており、②また、パーティー券の販売について、電子決済や銀行振込を基本とし、現金の授受の排除を唱えている、更に、③仮想通貨やNFTの課税制度の見直し(仮想通貨を雑所得としてではなく、20%の分離課税)を提案し、Web3経済の成長支援を訴えている。まだ思いつき的段階である嫌いはあるが、昭和・平成時代的な立憲民主には思いもよらないアプローチだろう。