★日経新聞の7面のオピニオン覧に、水素・アンモニア活用の意見評論(コピー添付)が載っているので、またぞろ「水素社会」うんぬんの「おとぎ話」の話かと思ったが、今回はそうでもない。
・・・一時、日経も「水素社会」のおとぎ話を盛んに載せていたが、少しは眼が覚めてきたのであろうか。
今回の意見記事は、水素自動車や家庭に水素供給する「水素社会のおとぎ話」ではなく、現在石油・天然ガスをベースにした産業コンビナートにおいて、天然ガスの代替としてグリーンなアンモニア・水素に切り替えていこうという運動をしてきているのが、天然ガスは復権気味、一方、グリーンアンモニア・水素はコスト高で、断念する動きが相次ぎ、残念という話である。
・・・まず、何度も言ってきた通り、水素で日本中の自動車を動かすとか、全家庭に電気の代わりに水素を供給するなどという、水素を「面的」に社会全体で活用するのは、ユーザーに届くまでの新たな社会インフラのゼロからの構築を考えても、エネルギー効率(バカ・ロス)を考えてもまさにおとぎ話でしかなかったのだが、一部の企業が補助金も狙い「水素社会」なる幻想の看板をかざしてきただけであった。・・・しかし、日経はそれに乗せられて「水素社会」記事を大量に載せてきた。
・・・しかし、水素・アンモニアは、産業の一部では意味を持ち得るのである。
・特にグリーン電力の低コストの国・地域で製造した水素やアンモニアを、専らアンモニアの形態で日本にまで輸送。
▶ 沿岸部にある高炉製鉄所の製鉄(鉄鉱石の還元)を現在の石炭ベースのコークスから、水素還元を取り入れた新型製鉄にして炭素削減していく。
▶ 石炭火力でアンモニア混焼、それでも残るCO2は実際的な範囲で回収(CCUS)する。それにより、日本で必須な石炭火力によるベース電力を確保する。
というような沿岸部のコンビナート等の地域で、グリーン水素・アンモニアの活用を展開していくことは、日本としては真剣に検討していく必要がある。
・・・勿論、グリーン水素・アンモニアのコストは今はバカ高いが、それをどこまで低下できるか? 一方で、グリーン化しない高炉や石炭火力への炭素ペナルティーがどれくらい上がってくるか? その相対関係によっては、グリーン水素・アンモニアの実用はあり得ると、私は思っている。
◆ という方向感に、日経の意見記事だが、珍しく日経が同調している。日本も少しづつ進歩しているのだろうか。   Nat


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