★今朝の日経新聞でも報道している通り、日本の税収が24年度の73.4兆円が、25年度見通しでは78.4兆円と5兆円増収になる見込み。
◆それで、日本の税収の推移を改めて見てみよう。添付する。税収suii_page-0001
・・・金融危機で落ち込んだ2008、2009年度を脱してからは、ご覧の私の引いたオレンジ色の矢印の通り、一貫して増収してきている。
・・・2019年度に消費税が10%に上がったので、特にそれ以降でみよう。ただ2020年からはコロナだから、2022年度から見て、2022年度の71.1兆円 ⇒2025年度78.4兆円と、ここ3年だけで見ても、3年で7.3兆円の増収、年率3.3%の増だ。
・・・その間の消費者物価上昇は年2.5%ほどだ。・・・物価上昇と共に、消費税と法人税の収入が物価以上に上がっていることになり、グラフでも黒線(消費税)と紫の点線(法人税)が力強く伸びているのが分かるだろう。
・・・そして、これは実に当たり前であって、日銀が安定物価上昇率2%を目指している通り、毎年2%物価が上がる社会においては、基本的に政府の税収も着実に増えるのだ。・・・そして、金利率も物価と共にジリ上がりするが、借金の元本返済の意味での国債償還の金額負担は、物価が上がると実質目減りして楽になる。だから、財務省としては、税収は伸びるわ、国債償還負担は実質目減りするわ・・・で、内心お悦びであろう。
◆ 折しも、国民民主がいみじくも指摘した103万円の控除額の30年据え置き(と学生等バイトの親の控除廃止の壁の103万円問題)の解決を通じた手取り収入の改善案に対して、自民税調は123万円に上げるのが精々、でないと財源がない、と突っぱねている。
・・・財務省の試算で、国民民主の言う178万円に上げると7兆円の税の減収になるというのを、自民税調ももっぱら指摘している。
・・・そして玉木国民民主は、マスコミなどに「財源問題の対策を自ら提案せず、与党に考えさせる無責任」などと言われている。
・・・一方、玉木国民民主は、敢えて、ちらっと富裕層の保有土地への新課税などには触れているが、それ以上に、富裕層所得税や金融所得課税などには踏み込むことを避けており、他方、今後の税収増は7兆円くらいはあるはず、、、、というのに留めている。
・・・財務省のデータは、与党税調でないとなかなかアクセスしづらいとも報道されており、国民民主はそれを理由に、上記以上の突っ込んだ財源対策案には踏み込んでいない。
⇒ しかし、私の思うに、それが戦術としては賢いのではないか?
・・・国民民主が、なまじ、中途半端な情報に基づき、新しい税制案などに踏み込んだ具体提案をしようものなら、自民税調もさることながら「玉木憎し」の財務省が、よってたかって玉木つぶしの反論を浴びせかけるのは眼に見えている。
・・・国民民主の言うとおり、今後の税収増は、実際にはかなり期待できるであろうが、財務省は「そんなものは当てにならない」「増収があっても、国債残高縮小に消えてしまう」などと言うばかりであろう。
・・・また、財源としての具体的な増税案は、富裕層関係の案であるにしろ、言い出したほうが政治的には損する。チキンレースみたいなものだ。
⇒ だから、我々としても、財務省、自民税調には、この税増収の絵でも送りつけた上で、それ以上、余計なこと言わずに、玉木国民民主の言うように「財源は与党でお考えいただきたい」でいいのだと、私は思う。・・・財務省に洗脳されている日経などマスコミは違うようだが。(そもそも私なんか、国債は今後40年くらいかけてあと800兆円くらい増やして、少子高齢化の日本が最終的に縮小均衡に達するまでのギャップに充当すべきだという人だから、財務省・自民税調とは会話にもならないしね・・・。)  Nat