★国民民主の103万円控除額の大幅引き上げに対して、自民税調は「123万円以上では、控除額のインフレ是正を越えて、減税になってしまう」と拒否した。・・・アハハ、国民民主も(たぶん国民も)実質的な減税で手取りアップを希望しているのに、自民税調は税制の技術的修正の話をしている。アカン。話が全くすれ違っている。・・・でも当たり前だね。税調は税制の仕組みを毎年遂次微修正するための組織な一方、国民民主は政治をしているのだからね。
・・・なら、政治的課題、政策的課題としての「所得税減税」の是非だが、税調は別にして、まだ自民党という政治団体総体としては、実質日和見を続けている。一方、財務省は早速「歳入伸びたが、大規模減税は適当でない」(加藤財務相)だと。
・・・財務省の辞書には「減税は適当」という言葉はないので、それを期待するだけムダなんだが、加藤大臣のセリフは「(歳入増でも)28兆円もの新規国債発行が予定されているから」だから、笑える。
◆ 日本政府の新規国債発行額だが、2023年度、2024年度、共に35兆円。それが、2025年度予算では17年ぶりに30兆円を下回り28兆円で済むというのが実態である。更に言うと、コロナの2020年度は100兆円、21年度、22年度は50兆円を超えていたのだぞ。それが28兆円にまで減ったら「お~~、ずいぶん楽になった」というのが普通だろう。
・・・しかし、財務省は「税収が着実に増えて、国債依存度が少し減ってきて楽になってきました、皆さん」なんて、絶対言わない。財務省は、新規国債発行が一桁兆円、あるいはゼロにまで減らない限り、「楽になったから減税しましょうか」と言い出さない、そういう役所である。 Nat