★日産が、ホンダ流の経営改革を拒否、統合は破談に。
・・・思うことをひとこと:

・・・破産寸前であった日産は、ルノーとゴーン氏を受け入れた。
・一つには破産寸前だったので、ルノーが37%増資引き受けする見返りにルノーが6千億円を日産に注入する、日産にはこれを断るチョイスはなかったこともある。
・しかし、今回のホンダとの破談との対比で考えるに、1999年のルノー・ゴーンdealは、ルノーというフランスの自動車会社が戦略的に日産を子会社化し、ルノーの一部として再生を図ったものではない。ひとえに、ゴーン氏という強烈な再生請負人をルノーが送り込み、日産は日産のままで、ゴーン氏を受け入れ、ゴーン氏が日産全身の外科手術をするのに、身を任せたのである。
・果たして2年のリバイバルブランで、外科医のゴーンは、ばっさばっさ日産を切り捨て、黒字化した。
【2】他方、今回のホンダdealが、上記のルノー・ゴーン氏による再生と大違いなのは、以下であろう。
①まず、今の日産は、1999年の時ほど、まだ破綻寸前にまで追い詰められておらず、色々言いたいこと言える余地が残っている、という違いはある。・・・その証拠というか、ホンダは、日産の株主から日産株を買い取るプランであったが、ホンダが日産に今回救済資金注入の計画はなかった。
②しかし、ホンダの示した日産の再生構想は、ホンダという自動車会社、しかも、ガイジンではない、ライバルの日本の自動車会社が、日産を乗っ取るものであった。・・・要は日産の「ホンダ化」だ。ホンダからゴーン氏的な凄腕経営改革人が日産に送り込まれるものでもない。日産を日産のままにして、ホンダから第二のゴーンを送り込んで経営改革をする、そんな人材はホンダにもいないのだろう。だからホンダによる経営改革は、日産のホンダ化によるしかない。
・・・日産のホンダ化。・・・それで、日産に人達が恐怖したのは以下だ。
・人事: ゴーン氏も当時の日産のぼんくら経営陣を総とっかえしたが、日産をルノー化したわけではない。しかし、ホンダが日産を「乗っ取る」と、これまでの日産ムラの年功序列人事体系は破壊され、全てホンダ体系に置き換えられる。これが、日産には許せない。
・日産の自動車作り文化も、あるいは、場合によってはブランドすらも、ホンダ化されてしまう。(とは言え、日産には売れる車がなくなってきていたから、しょうがないのだが・・・)
・・・日産としては、ガイジンのルノーなら、ガイジンに弱い日本人文化だから諦めたのだが、格下の日本のライバルのホンダに支配されるくらいなら、死んだほうがマッシだったのだ。
・しかも、今の日産のトップたちは、ゴーン時代の「呪い」からようやく日産のプライドを取り戻してきた人たちなのだ。フランスのガイジンならまだしも、日本のホンダは絶対許せない。
◆◆以上が、ルノー・ゴーンケースとのホンダケースの大違い。

・・・もっともホンダもちょっと性急過ぎたが、日産と心中出来ないから、時間をかけても、本質的には、今回のようなことしかなかったであろう。
・・・さはいえ、これからの自動車業界の中で、日産も、ホンダも単独では難しい。特に売れる車のない日産、ゴーン時代から20年近くたち、いまやダラケっパなしの会社になった日産は、また破綻に向かうのであろう。その時、第二のゴーンが現れるのか、そのまま死ぬのか・・・見守りたい。私の死ぬのとどちらが先が知らんが。
Nat
