◆ トランプの、バイデン政権のウクライナ戦争政策批判は、ざっくり言うと以下であろう。
1)「自分が米大統領なら、まずプーチンはウクライナ戦争を起こさなかったであろう。」「あるいは、私なら、もっと早く終結していたであろう。大統領になったら、すぐ終わらせよう。」「そもそもウクライナがロシアと(防衛)戦争を始めたのが無謀だった。」
・・・そして、既に、トランプはプーチンに電話をかけ始めており、バイデンとの違いを演出してみせている。
◆ トランプがプーチンと交渉して、戦争を一旦終結させ得るのか? それは未だ全く分からない。ロシア側とウクライナ側が共に呑める終結条件は極めて難しい。ウクライナのNATO加盟断念まではあり得ても、ロシアが侵略した地域の扱いは困難を極める。・・・よって、トランプがプーチンと交渉しても、終戦になるかは、勿論誰もまだ分からない。
◆ しかし、しかし、これまでのバイデン政権の、ウクライナ戦争政策へのトランプ批判は、かなり、当を得ている面がある。
1)確かに、バイデン政権は、ロシアと直接触れ合うことを徹底的に避けてきた。プーチンへの電話などもってのほか。また、軍事的にも徹底してウクライナの後ろに隠れるスタイルを貫いてきた。
2)そしてウクライナが勝ちそうになると、ロシアが戦術核兵器の使用を含めて、何するか分からず、そこまで行くと米軍が直接巻き込まれる、これを極度に恐れて、「ウクライナは勝たない、かといって敗けてしまいはしない状態」に留める策でやってきた。・・・トランプの言う通り、戦争になってから2年半も膠着状態なのは、米国が「ウクライナを勝たせない」作戦でやっているから、というのは、その通りだろう。バイデンからするとそうこうする間に、ロシア制裁もあり、ロシアが自分で音を上げるのを待つ、そうなる。
・・・最近米の中距離ミサイルをロシア煮撃ち込むのをバイデンがガンと言って許してない問題も、その一環だ。
◆ 斯く斯様だから、私はトランプのバイデン政権のインフレ対応と移民対応をトランプがクソムソに批判しているのは、殆どペテン的な攻撃だと見ている。しかし、ウクライナ戦争政策については、はっきり言って、これまでのバイデン政権批判の8割くらいはトランプらに「同感」な面が強い。ロシアの戦術核兵器のリアルなリスクへの判断が難しいから、2割はバイデンの対応で已むなかったのかもしれないとは思う。
・・・しかし、大統領選挙で、ウクライナ戦争は決定的要素ではなかったであろうが、印象として「バイデン何やっている!?」との雰囲気を盛り上げる材料になってしまったであろう。そして、バイデン・ハリスは、そのようなトランプの批判にまともに反論すら出来なかったのは事実だ。・・・私はそう思う。 Nat